痛い箇所を「冷やせ」と言われたらちょっと待ったです!

銀杏の実

 涼しかった9月が過ぎ10月になりました。

あまりにも涼しいので、とても寒い冬になるのではないかと心配しております。

季節の変わり目です、体調管理には十分ご注意ください。

  茂原市内の76歳の女性が娘さんに付き添われ、整骨に行き「足が痛い」とふくらはぎの外側をさすりながら訴えた。

「昨日から痛い」という彼女の言葉に反応した柔整師が、即座に(急性)と判断したのでしょう。

「冷やせ」と指示をされたそうです。

それを聞いた40代の娘さんが、「76歳の年寄りの足を冷やすんですか?」と問いかけると、「急性の場合は炎症を起こしているので、温めると余計痛くなりますよ」と答えが返ってきたそうです。

30代後半から40代前半の柔整師で、その日は電気を15分程あてて、「腫れているから」と湿布を貼り包帯でぐるぐる巻きにされて終わりだったそうです。

痛みは電気をあてる前と全く変わらず、「これを10回繰り返しても変化は起きない」と判断した娘さんが、76歳のお母さんを楽楽屋に連れて来てくださいました。

私 「いつから痛いのですか?」

患 「昨日からねぇず―ずーして、ここが痛いんですょ」と右側のふくらはぎの外側をさすっている。

昨日から突然痛み出したとすると、足の血管病である 閉塞性動脈硬化症を一番に心配してしまう。

それを娘さんに伺うと、「以前に同じような症状になり、地元の内科を受診したところ循環器の病院への紹介状を発行してもらい、今では循環器の検査を定期的に受診している」との事。

付け加え「特に問題はないそうです」。

と言う事は筋・骨格系が原因ですかね。

 患部を診ても触れても、昨日から突然痛くなったとはとても思えない、全く腫れてないし、そこで”かまをかけてみる”。

私 「昨日からここが痛くなったのですね、じゃあいつもは何処が痛いの?」

患 「ここなの」と右側のお尻から太ももの外側をさすりながら、その箇所をはっきりと示すじゃないですか。

急性ではない慢性の坐骨神経痛ですね。

決して特別ではなく、いつも通りの背中・腰・お尻・下肢の施術を “世間話満載” で行い、そして起立して歩いてもらう。

患 「あれぇ痛くない」。

お尻の辺りをさわりながら、「ここが軽い」。

少し前屈みに丸くなっている背中は致し方ないけれど、身体を起した姿勢の母親の姿を見た娘さんがビックリされていた。

そして「整骨で言われた通りに冷やしていたら、どうなっていたのですか?」

と1歩踏み込んだ大人の質問がきました。

私 「お母さんはふくらはぎの辺りよりも、ずうっと右側のお尻が痛かったと思います、いくら9月とはいえ76歳の慢性痛を冷やすともっと痛くなるかもしれません、ちなみに、どれくらい冷やせと言われたのですか?」

娘「冷やすつもりは無かったので聞いてません(笑」

さすが正解だったようです(^o^)

それにしても何でも急性にしたがる彼らにも困ったものです。

治す器量が無くても、慢性か急性かの判断くらいは正直にしないと。

情報が足りないのなら、引きずり出さないと!

Follow me!