カイロオステ技法に魅力

私と手技療法との出会い

強い腰痛で動けなくなる前は、重いものを運んだり、毎日体がクタクタになるような仕事をしていました。
若かったせいもありそれが全然嫌ではなく、毎日ご飯が美味しくて、お風呂も幸せで、ぐっすり眠れて、目覚めスッキリ、これぞ人間の日々の営みと思っておりました。
当然全く腰痛などが無かった訳ではありませんでしたが、少し痛い腰をダマシダマシ動かしていて、ある日グッスリ寝たら痛みが無くなっていた、そんな事の繰り返しでした。
今思えば時々出る腰痛が注意信号だったのでしょう。
自分の体から発せられた危険信号を無視して突っ走っておりました。

そんなある日、朝から「何だか今日は腰が痛いな」と感じていた矢先、右側の腰に「ズキン!」と電気が走りそのままへたり込んでしまいました。
人生で通算3回目の「ギックリ腰」と呼ばれる症状でした。
1度目は20歳のころ、朝寝起きで体を反らしただけで「ズキン!」
2度目は22歳のころ、軽い物を車にポンと積んだ瞬間に「ズキン!」
この2回とも自分で歩いたり、病院に行ったり出来たのですが、それから10年後の32歳の時の3度目は動けなくなり、やっと車に乗り込み家に帰った事を覚えています。
家で安静にして、湿布を貼り腰をとにかく冷やしてみました。
そして病院に行っても触ってもくれないと思ったので、友達の紹介で翌日茂原市内の整骨院に行ってみました。
この日はじめて整骨院という存在を知り、国保・社保が使えて腰になんらかの施術をしてくれて、湿布を貼ってくれる。
「病院よりサービスいいじゃん」と、この時は本当にそう思いました。

整骨:「川﨑さん、3日位はお仕事しちゃ駄目ですよ、その位で治ると思います」。
そう言われて言う事を聞いてお休みしました。
4日ほどで痛みがずいぶんと治まってきて、5日目には仕事に復帰、いつもの重い材料を持ってみると、「いけるじゃない」!
何も無かったように通常の業務に戻れました、今後は何かあったら整骨院に行こうと、駆け込み寺を見つけたような気分で、守られている安心感のようなものさえ感じました。

2ヶ月後、もう忘れてしまっていた腰痛がこの日の朝は何となく疼いていた事をハッキリと覚えています、これも危険信号でした。
しかしこのころ危険信号という認識はありません、それにそんなにしょっちゅうギックリ腰になっているほど暇ではありません。

朝の10時頃、右に置いてある物を左に動かしたとたん、すごく小さく「ズキン!」と、腰の奥の方で感じました。
この時は「またかよ」と思った反面、「この間のよりは軽そうだ」と思い、だいたい仕事を片付けて帰りました。
そして家で安静にしていたのですがどんどん痛くなる、とうとう何かにつかまっても歩けなくなってしまい、家内に頼んで整骨院へ連れて行ってもらいました。

整骨:「あ~完全に治りきってなかったんだね~、川﨑さん、また3日位は安静にしてくださいね」。
そう言われ2日が過ぎたが、痛みは増すばかりで、あと1日、いやあと3日安静にしたとしても治る気がしない。


 

自宅から車で10分くらいにある茂原市内の病院へ連れて行ってもらう。

医師:「何でもっと早く来なかったの!川﨑さん、歩けなくなるよ!」茂原市内の病院で硬膜外神経ブロックを受ける
医療人は物事を告げる時に必ず名前を呼ぶ、いちいちドキッとする。
「ズキン」という痛みより強烈に「ドキン」という恐怖が心を襲った。
子供も小さいし、借金もあるし、釣りも行けなくなっちゃうし・・・

座薬の痛み止めを処方してもらい、2時間で痛みがかなり引いた、午後から割り込みでMRI検査だ。
検査前に医師が「座薬が効いたみたいだね、早く来ればもっと楽になったのに、病院じゃなきゃ駄目だよ!」キッパリと言われてしまった。

今から20年以上前のMRIはとにかく時間がかかる、痛くて仰向けで寝られないのに仰向けで機械に入る、そしてじっとして1時間、とても辛い時間でした。

MRIの画像を診ながら、硬膜外神経ブロックという治療法について説明をされる。

病名は「腰椎5番と仙骨間の第6神経の椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛」画像の中で、後方に突出している椎間板が後ろ側の大きい神経を圧してしまっている事の説明を受ける。
そのため痛みがある訳で、この圧迫による神経への癒着は早急に対処する必要があるという。
患部に直接注射で神経をブロックさせる薬を投与する方法もあるが、神経の多い場所のためとても危険であること、そのため別の方法として、細いチューブを背中から患部まで挿入してチューブから薬を投与する方法を採用している事の説明を受けました。

茂原市内の病院で椎間板ヘルニアのMRI画像を撮影そして。
医師:「今日から入院です」。
私 :「入院?」
医師:「6日間です」。

はじめての入院、とか言ってる場合ではなく、これから行われる治療は、腰にチューブを入れるための穴をあけ送還するわけで、これはりっぱな手術なのです。

看護師さんがニコニコしながら「川﨑さん♪、帝毛するから処置室に行きましょう」、車椅子でさっさと準備され背中からお尻の帝毛を受ける(すごくくすぐったい)、今度はストレッチャーでOP室に運ばれ局部麻酔。

「チューブが入らない」だの、「これで届いたかな?」だの、院長と副院長で言い合って最初はモルヒネが投与されました。
へそから下の感覚がなくなる、不安もあるけれどこれで治るのならばと観念しました、まな板の鯉ですね。

6日経過、痛みはある程度治まり自分で歩けるがやはり痛い、院長と相談した上でこの時代の最先端技術である レーザー蒸散法手術(レーザーメスを患部まで刺しレーザー光線で椎間板を焼く手術)を受ける事になりました。

この時はもう早く治りたい一心で先の事や周りが見えなくなっていました、失敗ではなかったので後悔はしていませんが、痛みの全てはとれず強い坐骨神経痛と戦う日々がこれから続きます。

この手術保険が摘要されず、36万円かかりましたが治りませんでした。


リハビリテーション室に通う日々、退院してからも通うのですが、変化なし、理学療法士に面倒な顔をされここで保険治療をあきらめました。
さてこれからどうしよう、とても整骨院には行く気にならないし・・・

ある日友人のお母さんがやはり腰痛で整体に通っている話を耳にしました、「なるほどそういうのがあるのか」!
今ほどインターネットの情報など無く、何処にどんな整体があるのかわからない、調べようがない。
女性がやっている整体を見つけ、車で2時間かけて2度ほど行ってみるが、何とも、スンとも、もうやめる。
次に友人のお母さんに紹介してもらった茂原市内の整体に行ってみました。
それが「すんごい痛い」でも治るのならばと我慢して施術を受けるも、とてもではない。
しかし他に対策がないので10回通った時点で、たしかに痛みの半分くらいは治まってきている気がしましたが、お値段も高かったのでここで断念。

整体を学ぶこの頃から「整体って自分でできないかな」という気持ちが自分の中に生れてきていました。
「整体を受けながら施術を学べないものか」元の重いものを持つ仕事はできそうになく、こんな考えが一歩踏み出すきっかけになりました。

「誰でも学べるカイロプラクティック、あなたもカイロドクターに・・・」ある日このようなチラシが新聞に入ってきました。
まさに渡りに船、さっそくお金と時間をかけて学んで?見ましたところ、詐欺団体であることが途中で判明し、残念ながらいくらかのお金を捨てさっさと退散しました。
最悪です、人の体と心の弱みにつけこんでのネズミ講商法、教える手技も偽物でした。

騙される方が悪い!?
私自身、心が折れそうなほど痛みに悩んでいた時の出来事です、正気であったなら絶対に詐欺を見抜いていたのに。


 

そして悶々とした日々が過ぎる中、同じ詐欺に合った知人から一本の電話をいただきました。
本気で手技療法を学びたい人達をある先生が募っているというのですが、今の私はそんな話には乗れません。
しかし先生の名前に聞き覚えがあることと、これからの人生を考えたら何とかしなければいけない訳で、一か八かで授業を受ける事を決意しました。

一緒に学ぶことになった人が「きっと厳しい授業になるよ」と言っていました。

最初に師匠に言われた事が「手技療法を学ぶためには手技療法家としての【自分の体づくり】が必要です」と言われ、毎日のオリジナルスクワット、足蹴り、母指(親指)の伸ばし鍛え、などこれは部活並みでした。整体,カイロプラクティックを学ぶ
しかし授業では次から次へと、門外不出の技が公開されていきます。

最初は自分のように「病院も、整骨院も治してくれないで苦しんでいる人達の腰痛を、私が治してあげよう」と本気で思い門下生になったのですが、いつの日か技の可憐さに魅了されていってしまいました。
これは治療法ではなく技です、演舞です。
昔の武術の名人と呼ばれた人たちが構築した、医術と武術を合わせた技である【医武術】に、更に欧米のカイロプラクティック・オステオパシーの優れた手技を合わせた美しい技達が、私を洗脳していきました。

「なんだこの世界は」自分には場違いではないかと後悔すら感じましたが、もしこの技達を覚える事が出来たのなら…
志強く夢中で学びました。
とても難しくて簡単に覚えられるものではなく、スタート段階で20人居た生徒が卒業時に4人になってしまいました。
そして5年後、平成12年に念願の卒業証書とカイロオステ師の認定書を授与されました(個人団体です)、勿論まだ勉強中ですが。
未だ未熟者ですが、縁あってお越しいただいた皆様には少なからずともご好評を戴き、そしてそのお声を糧にこれからも細く長く施術活動を続けて参ります。

強い痛みのある方は必ず専門医の診察を受けて頂く事をお勧めします。

お気軽にご相談ください。0475-22-7147