とめ!ハネ!
私の愛読書!?もう30年以上読んでいる小学館のビックコミックスピリッツという週刊マンガ誌に、高校生の書道をテーマにしたその名も「とめはね!」というマンガが連載されている。
筆をとめる、そしてはねる!の意味であることは言うまでもないですね、私も今年の春から書道を習い始めるまでは、そう信じて何となくこのマンガを読んでおりました。
2月頃から通い始めた茂原市内の書道の先生は、筆の運びに於いて特に指導が無く、全体のバランスを捉える事を優先した教え方でした。
その後6月より通い始めた長生郡一宮町の先生は、筆の運びに対して徹底的に指導をして下さる教え方で、それが難しいのなんの!
「点画が一番難しいのよ!時間をかけてたくさん練習してください」といろいろなパターンの点を書いてくださる。
そしてヨコ画、タテ画を書く。
今度はハネを書く前に 「いいですか、ハネはハネないんですよ!!」と言われる。
何を言っているんだろうこのティーチャ―は、と思いながら先生の筆先を見ていると、ハネた最後の墨が「かすれる」ところまで筆先が半紙に触れている。
ハネていない、最後まで丁寧に書いている。
筆圧と手首の微妙な動きで、形の良い、くっきりと朱色の墨がきれいに塗り付けられたような字が、白い半紙に描きだされた。
「字を習うだけならお習字です、川崎さんは書道を勉強しにきたのですから、画の端まで丁寧に書く練習をしてください」。
何とも説得力のあるお手本とお言葉でしょう。
柔道も投げっぱなしではただの喧嘩になってしまう、投げた後も相手の胴着を放さず次の抑え込み等の技に転換する準備をする。
将棋の棋士も自分が打った駒から丁寧に指を放す、放したらもう打ち直しはできない。
私の仕事ぶりはどうだろう、近年慣れてしまい雑にお客様、患者様に触れていなかっただろうか。
背骨の矯正を怖がる方に丁寧に接するのは人としてあたりまえと思っていても、相手にそれが伝わっていただろうか。
毎日、自分の手の中で人様の背骨が「ゴキッ」と動く感触を受けていると、確かに「業務」という感覚になってしまう。
大切な人の身体です、身が引き締まる思いがした。
習字と書道は全く違う。
「書道から何か得るものはないか」という欲を抱いていた事を反省させられる。
と同時に書道により、自分を見直すきっかけを得る事ができた。
これを「今年の収穫」としましょう。